企業の熱中症対策が罰則付きで義務化。早期発見の方法と重篤化させないために

目次
1. 職場における熱中症による死亡災害の傾向
工場や現場における熱中症の死傷者数は2022年以降右肩上がりとなっており、労働災害による死亡者数全体の約4%にあたる年間30人以上が熱中症で亡くなっています。
熱中症による死亡災害の原因のほとんどが「初期症状の放置、対応の遅れ」であることが分析結果として指摘されており、その中でも8割を占めるのが「発見の遅れ」とされています。
現状では、この「初期症状の放置、対応の遅れ」に対応する明確な規定がないことが問題視され、この度労働安全衛生規則が見直されることになりました。(厚生労働省より 2025年6月1日施行)事業者には、熱中症による健康障害の疑いがある者の「早期発見」「重篤化を防ぐための対応」が義務付けられます。
2. 熱中症対策における基本的な考え方
熱中症対策への現場の対応として、①見つける、②判断する、③対処するが3原則です。
①見つける
熱中症のおそれがある労働者を早期に発見できるよう、「熱中症の自覚症状がある労働者」や「熱中症のおそれがある労働者を見つけた者」がその旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとにあらかじめ定め、関係労働者に対して周知すること。
※
報告を受けるだけでなく、積極的に「熱中症の症状がある労働者を見つけるための措置」として、職場巡視やバディ制の採用/ウェアラブルデバイス等の活用や/双方向での定期連絡等を推奨。
②判断する
「意識の有無」だけで判断するのではなく、返事がおかしい、ぼーっとしているなど、普段と様子がおかしい場合も異常ありとして取り扱うことが適当である等、基本的な判断基準を事業場内で関係労働者に対して周知する。
③対処する
作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等、熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の実施手順を事業場ごとにあらかじめ作成し、関係労働者に対して周知する。
3. 熱中症が疑われる症状
熱中症が疑われる症状例は以下の通りです。
- 【他覚症状】ふらつき、生あくび、失神、大量の発汗、痙攣 等
- 【自覚症状】めまい、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、不快感、吐き気、倦怠感、高体温 等
これらの症状が自身もしくは周囲の労働者に見受けられた場合、すぐさま作業を離脱し、身体を冷却する必要があります。
4.熱中症に気がつきにくい労働環境
以下の4つの状況では労働者の熱中症症状に気が付きにくい可能性があります。
- ・ 一人作業
- ・ 死角作業
- ・ 休日出勤
- ・ 騒音のある環境
本人の自覚症状や労働者同士の気づきは重要ですが、上記のような環境で誰にも気づかれず、重症化し意識消失してしまうケースも想定されます。
5.早期発見するために
4のような状況下でも早期発見するために、転倒センサーの導入がおすすめです。
転倒センサーは装着した人が倒れた状態を続けると、センサーにより転倒を検知。異常事態とみなして大音量で警報音が鳴り、同時に緊急通報を指定の通報先へ自動送信する機器です。
従業員が倒れた際に即座に気づくことができ、駆けつけ、早期救出ができます。また、体調不良や異常を感じた際は、押しボタンで自ら緊急コールもできます。
熱中症対策だけでなく、その他の持病で倒れてしまったときや、怪我を伴う転倒時などにもご利用いただける点がおすすめです。
熱中症による労働災害のほとんどが初期症状の放置・対応の遅れが原因とされる中、現場においては、症状のある人を早期発見し、重症化させない対策が求められます。法改正に伴い、作業場の温度管理や水分補給、休憩時間の確保等、まずは熱中症にならない予防策を徹底するとともに、転倒センサーやウェアラブルデバイスを活用した熱中症対策を講じることが全ての企業に求められています。
転倒センサー ラインナップ
非常ボタン送信機はワンプッシュでスマートフォンから大音量の警報音が鳴り、同時に指定の通報先へ自動で緊急通報する機器です。 スマホの操作が難しい体調でもボタンを押すだけで連絡ができます。
非常ボタン送信機
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応用事例
転倒検知システムは、どんな場所・目的・用途で使われているのか、その事例をご紹介します。
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